「インフルエンザワクチンは、インフルエンザの予防に有効」。インフルエンザが流行し始める季節になると、テレビなど各種メディアでこのような報道がされます。
そんな報道を聞くと、予防接種をすれば本当にインフルエンザにかからないのか?という疑問を持つ方もいるかもしれません。
インフルエンザには、A型とB型があり、A型にはさらに香港型、ソ連型といわれるものがあります。
インフルエンザの予防接種とは、これらインフルエンザウイルスへの抗体をつくるため、毒性を落としたウイルス(これを抗原といいます)を皮下注射するものです。
しかし、予防接種してもワクチンで作った抗体と流行するウイルスの型が違えば、ワクチンの効果はほとんどありません。
このような型違いを回避するため、WHO(世界保健機関)では、世界中のウイルスの監視活動を行って、流行しそうなウイルスに対応するワクチンを検討しています。
それでもインフルエンザは流行します。つまり、インフルエンザワクチンでは、インフルエンザの発症を完全には防止できないということです。
しかし、厚生労働省では予防接種の普及に力を注いでおり、特に65歳以上の高齢者や肺疾患・心疾患を持っている方、糖尿病患者には予防接種をすすめています。
これは、インフルエンザワクチンで、インフルエンザの発症を完全には防止できないまでも、発症した時に症状の進行をおさえる効果が期待できるからです。
予防接種をするということは、例えて言えば、工事現場にヘルメットをつけて歩くようなもの。上から物が落ちてきても、ケガはしたとしても命は助かるということですね。