蕁麻疹(じんましん)の治療|アレルギー薬と胃薬を併用するのはなぜ?

蕁麻疹(じんましん)の定義は、痒みのある紅斑や部分的な浮腫(膨れた湿疹)が突然出現する皮膚疾患です。

蕁麻疹は4つに分類されています。

①突発性蕁麻疹
 ・急性蕁麻疹
 ・慢性蕁麻疹

②刺激誘発型の蕁麻疹
 ・アレルギー性
 ・食物依存性運動誘発型
 ・非アレルギー性
 ・アスピリン蕁麻疹
 ・物理性
 ・コリン性
 ・接触性

③血管性浮腫
 ・突発性
 ・外来物質起因性
 ・C1エステラーゼ阻害因子低下

④蕁麻疹関連疾患
 ・蕁麻疹様血管炎
 ・色素性蕁麻疹
 ・Schnitzler症候群
 ・クリオピリン関連周期熱

何らかの原因により、真皮細胞にあるマスト細胞から、ヒスタミンなどの生理活性物質が放出されることにより、紅斑やかゆみという症状が表れます。

マスト細胞を活性化する機序は、蕁麻疹の病型により異なりますが、よく知られている、I型アレルギーもその1つです。しかし、I型アレルギーによる蕁麻疹は、アレルギー性、食物依存性運動誘発型、接触性の3病型のみで、蕁麻疹全体の、3~9%に過ぎません。

蕁麻疹のほとんどが、原因が分からないもので、7割を占めます。よって、蕁麻疹の治療は、原因不明のため、薬物療法による症状の鎮静化に重点がおかれます。

蕁麻疹の発症には、ヒスタミンの放出が関連しているため、抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)が治療の中心となります。この抗ヒスタミン薬を、1~2週間服用し、十分な効果がみられない場合には、薬を増量したり、他の抗ヒスタミン薬へ変更します。

ただ、抗ヒスタミン薬だけでは改善されない場合には、H2受容体拮抗薬を追加します。H2受容体拮抗薬というのは、H2ブロッカーとも言われる、胃酸を抑える胃薬です。

近年、このH2受容体が、皮膚にも存在することが明らかになり、抗ヒスタミン作用を現すとともに、また、H2ブロッカーが、抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)が分解されるのを阻害するため、抗ヒスタミン薬の濃度が濃くなり、効果があがると報告されています。

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