ジェネリック医薬品のメリットとデメリット|賢い選択方法

ジェネリック医薬品=後発医薬品とも呼ばれます。

処方せん医薬品において、新薬=先発医薬品の特許権が切れると、他の医薬品メーカーが同じ成分の医薬品を製造販売することが可能になります。この特許が切れた後に製造された医薬品がジェネリック医薬品です。

このジェネリック医薬品は、新規に開発を行っていないため、巨額な研究・開発費用が必要なく、先発医薬品に比べて、薬価=薬の値段を抑えることができます。さらに近年、医療費を抑えるため、厚生労働省はジェネリック医薬品の普及を進めています。

では、処方せんに記載されている薬はすべてジェネリック医薬品に変更したほうがいいのでしょうか?答えは、NOです。この解説をする前に、1つだけ処方せんを確認してください。処方せんの医薬品名や用法用量が書かれている上に、やや小さな字で、

「個々の処方薬に後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更に差し支えがあると判断した場合には、「変更不可」の欄に「V」又は「×」を記載し、「保険医氏名」欄に署名股は記名・押印すること。」

と記載されています。これに当てはまる処方せんの場合には、ジェネリック医薬品に変更することはできません。つまり、医師がジェネリック医薬品に変更して欲しくないという意志を示しています。

 

では、ジェネリック医薬品のメリットとデメリットについて解説します。

▼ジェネリック医薬品のメリット

ジェネリック医薬品のメリット、一番は薬価が安いということです。

ジェネリック医薬品 検索・試算のGenecal(ジェネカル)
http://www.genecal.jp/

上記では、ジェネリック医薬品に変更した場合、差額を試算できるサイトです。実際に、計算されてみてはいかがでしょう。特に、慢性疾患で毎日薬を服用されている方は、是非試算してみてください。ただ、薬によっては、それほど差額がみられないものもあります。

もう1つは、先発医薬品が飲みにくい剤形、例えば大きなカプセルなどの場合、ジェネリック医薬品は飲みやすい剤形にするなど、味や大きさを工夫している場合です。

▼ジェネリック医薬品のデメリット

薬の主成分は同じですが、添加剤などが違うため、先発医薬品とジェネリック医薬品は、全く同じ薬であるとは言えません。

詳しく解説すると、薬の周りを覆うコーティング1つを見てみると、先発医薬品とジェネリック医薬品では見た目は同じようでも、コーティング方法が異なるため、薬の溶ける時間が違ったり、主成分の分解率に違いがでてきます。

日本医師会の報告においても、医療機関が品質の問題で、ジェネリック医薬品の使用を中止したということがあります。これは、ジェネリック医薬品の試験に、「安全性の試験」がないためです。

よって、厳重なコントロールを要する抗てんかん薬やテオフリン製剤、ジギタリス製剤、又は、薬の基剤に違いのある軟膏・クリームなどの外用剤などは薬効に違いがでると言われているため、ジェネリック医薬品に変更しないほうがよいと言われています。

メルクマニュアルにも記載されていますので、参考にしてください。
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec02/ch017/ch017c.html

薬により、ジェネリック医薬品への変更の可否が分かれますので、ジェネリック医薬品の情報を把握している薬剤師へ相談することが一番です。

 

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